Contents
大動脈解離とは・・・
大動脈解離は心臓から全身に血液を送る通り道である大動脈が裂ける疾患です。
【スタンフォードA】
大動脈解離の始まる部分(エントリーと呼びます)が上行大動脈にあるもの
治療方法:基本的には手術
【スタンフォードB】
大動脈解離の始める部分が下行大動脈にあるもの
治療方法:基本的には保存療法
(血圧を下げて、大動脈への負担を減らす)
以下のサイトが参考になりますので、詳しい知りたい方は読んでみてください。
https://newheart.jp/glossary/detail/cardiovascular-surgery_014.php
大動脈解離の残存解離とは・・・
私の場合はスタンフォードAで緊急手術でした。
ここで問題になってくるのは、手術したあとに残存解離があるかということです。簡単にいうと、裂けた部分が残っているかどうかということです。
前述の通り、大動脈解離は大動脈が裂ける疾患。裂ける部分が大動脈のどこから始まり、どこで終わるのか。それを確認することが大切です。
私の場合は、大動脈の始まりの部分(心臓の出口)から足の付け根まで裂けていました。
当時、先生からいただいたCT画像がこちら↓↓
通常ですと、緊急手術で手術する部分は裂け始めの部分。私の場合は大動脈弁といって心臓の出口にある弁も変えたので、大動脈の始まりから大動脈弓部までを緊急手術で変えました。
1回目の手術のあとに撮った3D-CT画像です。(当時、主治医からいただきました)
※真腔:大動脈の本来の部分(裂ける前からあった部分)
※偽腔:大動脈が裂けてできた部分。
残存解離があると定期的なフォローが必要。
写真をみてお分かりのように、大動脈弓部から足の付け根まではまだ裂けています。これが残存解離が残っているということです。
この場合、残存解離がさらに拡大する可能性があり、大動脈が破裂の可能性があります。
定期的(私が勤めている病院では半年~1年)にCTで残存解離が拡大していないか確認し、必要ならば手術する可能性もあります。
残存解離がある場合は退院後も血圧に注意が必要
残存解離がある場合は、大動脈が拡大する可能性があるので、血圧の管理が重要になります。
大動脈瘤・大動脈解離ガイドラインでは発症から2~3か月以降は社会復帰し日常生活を行う時期であり、血圧コントロールが最も重要であると述べています。
血圧コントロールは130/80mmHg未満を目標とする。とされています。
残存解離がない場合は残存解離がある場合よりは安心。
一方で、大動脈解離になって手術はしたけど、残存解離がないという方は、過度に心配する必要はありません。
もちろん、大動脈解離になっているので、今までと全く同じ生活をしてもいいよというわけではありません。
動脈硬化性疾患がある場合がおおいので、生活習慣の改善は必須です。
ただ、残存解離のある場合に比べると再発のリスクは少ないと思います。定期的なフォローを続けながら、血圧管理していけばある程度、元の生活が可能になるでしょう
マルファン症候群による急性大動脈解離では、若年者が多く、他臓器の動脈硬化性疾患の合併率は少ないが、組織の脆弱性を特徴とするため、心拍数が100回/minを超えるような高強度の運動やコンタクトスポーツは推奨されていない。(大動脈解離診療ガイドラインより)
まとめ
大動脈解離の残存解離についてまとめてみました。
命に関わる病気で手術を乗り越えたとしても、残存解離があると再発の高まります。
先生としっかりと相談し、適切な時期に適切な治療が受けられるように準備していきましょう。
一つでも参考になったら、うれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。