私は仕事で循環器内科・心臓血管外科の患者さんを中心にリハビリを行っています。
一般の方からしてみると、心臓の病気なのにリハビリなんてやるの?とか、心臓が悪いのにリハビリして大丈夫?と疑問に持つ方もいらっしゃいます。
そこで、今回は心臓リハビリテーションについてと私が資格をもっている心臓リハビリテーション指導士のご紹介をさせていただきたいと思います。
心臓リハビリテーションはとっても大切
ひと昔前は、リハビリというと脳梗塞で半身不随の人がやるものだとか、骨折してギブス固定をしていたけど、ギブスが外れたからリハビリ開始とか、スポーツで怪我をしてリハビリをするいった感じで、脳血管疾患や整形外科疾患が中心でした。
しかし、ここ10年ほどは呼吸リハビリ、心臓リハビリ、がんリハビリといったように、脳血管疾患や整形外科疾患以外のリハビリが増えています。
私も学生時代は呼吸リハビリについては少し授業で習ったものの、心臓リハビリやがんリハビリについて全く習っていません。
働くようになってから、心臓リハビリというものがある事を知り、そこから勉強を始め、心臓リハビリテーション指導士も取得しました。
心臓リハビリテーションとは・・・
心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)とは、心臓病の患者さんが、体力を回復し自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することをめざしておこなう総合的活動プログラムのことです。
日本心臓リハビリテーション学会ホームページより引用
単に運動だけではなく、再発や再入院を防止することも目的としており、患者教育などの生活指導までを含めて心臓リハビリテーションといいます。
実際には看護師や栄養士、薬剤師などと一緒に行うので、私たち理学療法士は運動や活動について関わることが多いです。
心不全、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後などの患者さんは、心臓の働きが低下し、また安静生活を続けたことによって運動能力やからだの調節の働きも低下しています。そのため退院してからすぐには強い活動はできませんし、またどの程度活動しても大丈夫なのかが分からないために不安もあります。これらに対して心臓リハビリで適切な運動療法を行うことが役に立ちます。
日本心臓リハビリテーション学会ホームページより引用
単に運動するだけではなく、心臓の状態を確認した上で、体を動かし、心臓に過剰な負担がかかっていないか評価することで退院してから不安なく生活が送れるように支援しています。
私自身、患者になった時にどのくらい動いても大丈夫なのか、血圧や心拍数を測りながら活動していました。心臓の病気になると本当に不安になるんです。ちょっとした痛みが気になって、全然動けなかったりするんです。幸いなことに私の場合は、外来リハビリも通いましたし、職場の先輩や同僚に相談して、少しずつ活動範囲を広げる事ができました。
心臓リハビリテーション指導士とは
心臓リハビリのスペシャリストである心臓リハビリテーション指導士は日本心臓リハビリテーション学会が2000年に発足させた認定制度です。
以下のホームページを詳しい説明がありましたので、興味のある方は参考にしてみてください。
https://ptotst-worker.com/postart/column/179/
心臓リハビリテーション指導士は2020年2月時点で5815名の方が資格を有しております。
私が働いている県では100名に満たない会員数でまだまだ会員としては多くありません。
そのため、心臓リハビリを専門に受けられる施設はそれほど多くなく、まだまだ普及していないのが現実です。
日本心臓リハビリテーション学会では心臓リハビリ実施施設を公開しておりますので、心臓リハビリを受けたいという方は以下のサイトを参考にしてみてくださいね。
https://www.jacr.jp/web/everybody/hospital/
まとめ
心臓リハビリテーションと心臓リハビリテーション指導士についてご紹介させていただきました。
現状では、心臓リハビリテーションはすべての病院で実施しているわけではなく、多くは規模の大きな急性期病院です。
心臓の病気をお持ちの方で、「運動について不安」「動くのが怖い」「仕事が重労働だけど大丈夫かな」など、心配な方はぜひ、心臓リハビリが可能な施設に相談してみてくださいね。
また、コメントをいただければ可能な範囲で相談させていただきますので、お気軽にコメントくださいね😊💕